有名企業の人事制度を真似するのは危険です
当サイトのトップページでお話した人事制度ですが、成功を収めている企業の中にはこういった人事制度を社風に合わせてアレンジし、独特の人事制度を打ち出しているところもあります。
こういった人事制度は真似したらどうなるのでしょうか。
珍しい人事制度を一つ例に出し、真似をしたらどうなるのかを想定してみましょう。
ノーレイティング
近年、海外の某大手企業が導入した人事制度に、ノーレイティングというものがあります。
従来の人事制度のうちの評価制度というものは、年度末に総合的な評価をランク付けして決めるものが主流です。
しかし、ノーレイティングでは年度末ではなく一定期間の進捗に合わせてフィードバックし、評価を定めるというものです。
この評価制度は、こまめに進捗確認とフィードバックをすることで成長度合いの確認ができる他、どういった問題点があるのかを確認できるのでより社員育成がしやすくなるという評価制度です。
これにより、年度末にまとめて業務確認をする必要がないので評価を下すのに時間がかからなくなり、更にリアルタイムでアドバイスができるのでより成長しやすくなります。
優秀な管理職がいるのが前提
そんなメリットだらけの人事制度のノーレイティングですが、考えなしに導入しようとすると、十中八九失敗します。
このノーレイティング制度は、優秀な管理職がいることが前提であり、ひとりひとりの強みや進捗、成長度合いを管理できる人がいなければ手間が増えるだけでメリットがないのです。
このように、他の企業で成功しているからといって、その人事制度が必ず成功するとは限りません。
優秀な人材が揃っていることや、十分な体制が整っていなければ逆効果になることは多いのです。
その人事制度が流用できるかどうかは、プロの人と相談し、吟味して決めましょう。