人事制度の構築と見直しによって組織の将来が決まります!

サラリーマン

人事制度は、企業が組織とヒトを円滑に運用していく上で必要不可欠なものです。
正当な評価、正当な配置、そして正当な報酬。このどれが欠けても組織とヒトの成長は見込めず、企業としての将来も不透明なものになってしまいます。
円滑で有用な企業の運営を心がけるなら、最初に人事制度の見直しから始めましょう!

今回このコラムでは、人事制度の重要性と有用な構築方法についてお話していきたいと思います。経営者の方はもちろん、組織で働く方も人事制度の構築と見直しは常に肝に銘じておかなければならない問題です。
是非、覚えて帰ってくださいね!

人事制度の構築と運用について

通常、一般企業における人事制度の管轄は人事部あるいは総務部になります。
人事制度の構築と見直しを進めていくには、運用と維持のために人事部でミーティングを重ねながら検証に検証を重ねて様々な案を選定していくことが重要です。

とはいえ、現実問題として経営陣やその他の部門、そして労働組合との調整は困難な話であり、それぞれに全うしなければならない職務が異なるため、円滑な意思疎通が取れずに軋轢が生じ、明確な人事制度の検証にはどうしても時間がかかってしまうものです。

例えば、労働組合は管理職やその下に構成される社員が表立って活動していることが多いため、経営者目線で人事制度を考案することは容易い話ではありません。一方で経営者サイドは前線での業務に携わることが日常的にない為か、双方の考え方に温度差が生じます。

その温度差をうまく調整して、緩衝材としての働きが求められるのが人事部や総務部となります。それぞれの主張を分け隔てなく理解した上で、双方にとってプラスとなり得る人事制度案を提唱しなければ、発言力を失ってしまいます。
形だけの人事部や総務部では、組織を円滑にまわす人事制度の構築は難しいでしょう。人事制度に特化したプロフェッショナルの知識と経験と、ほどほどの配慮が要求される。これが人事の難しさでもあるのです。

人材の育成と活用に欠かせない人事制度

人事制度の構築と見直しを進める上で重要なのは、プロセスと成果と報酬のバランス感覚を養うことです。経営者サイドからすれば当たり前の皮膚感覚である「評価」は、一般社員にとっては不透明な「得体の知れないもの」であることが、大きな組織では往々にして起こり得る現象です。

単に「プロセスを評価する」と立案したとしても、プロセスのどの部分をどう評価し、それが報酬や待遇としてどのように影響されていくのか、多角的な視点で奥深くまで見ていくことが重要です。

一般的な人事制度では、協調性や責任感、向上心といった社会人としての素行面が一つの判断基準として評価される傾向がありました。しかし、成果主義の名のもとで取り組まれるプロセス評価や行動評価は、業務を最適な形で進め、効率的に成果を挙げたか否かなのです。

コンピテンシーという言葉あります。コンピテンシーとは「適正」という意味ですが、心理学の観点では、「高い成果を安定して残している人に見られる行動特性」という定義があります。
理想の人事制度に用いられる考え方は、殆どがこのコンピテンシーに基づくものとなっているのです。

人事制度は企業にも社員にもプラスの効果を与える

人事制度の構築と見直しは、主に経営者サイドの目線から定められることが多いですが、完成された人事制度は企業の独りよがりではなく、組織とヒトに寄り添った、お互いWIN – WINの関係の元で成り立つのです。
噛み砕いて表現すれば、「楽しく働けてやりがいのあるお仕事」を実現させるのが人事制度です。

組織のヒトを円滑に運用する上で、上記の要素は必要不可欠です。社員に「やりがい」をもたらすことが組織の成長につながり、ひいては企業の利益につながります。
経営者サイドと社員、どちらにとっても軽視してはならないのが、人事制度なのです。