明確な経営ビジョンによって浮かび上がる人事制度の全体像
人事制度を正しく確立していく上で、最も重要なのは「明確な見通し」を立てることです。
労働者にとって人事制度は決して見逃せない問題であり、それを不鮮明なまま放置しておくと知らず知らずのうちに不満や不安を募らせてしまいます。
今自分が取り組んでいる仕事が、どのような理由でどのような形で評価され、どういった形で還元されるのか。
そして、これからどういう方向に進んでいけばいいのか。それを照らし出して導いてあげるのが理想的な人事制度の形となっています。
その為に重視しておくべきポイントについて、これからご紹介していきたいと思います。
明確な見通しを人事制度で構築する
理想の人事制度を、二つの要素に大別すると「経営理念」と「組織運営」に分けられます。
「経営理念」には、「企業としての風土」「社会における立ち位置」といった要素があります。それを前提に置いた上で次に「組織運営」の芳香性を定めます。
管理職の育成や長期的な視点での人員のバランス、これからの定着率の向上、そして業績に応じた人件費の調整と分配。
これらをさらに「等級制度」「教育制度」「人材活用制度」「賃金制度」等に細分化し、それぞれ労働者の納得のいく形で定めていくことが重要となります。
ここに不鮮明な部分を残してしまうと、労働者が行く先を見失ってしまい、組織としての生産性を大きく落としてしまいます。
とはいえ、無尽蔵にお金が降ってくるわけではありませんから、全ての理想を実現するのは難しいでしょう。
しかし、上記で挙げた方針と制度を明確なビジョンとして示し続けていれば、労働者の理解を得ることは難しくないはずです。
ヒトはロボットではありませんから、働く意義というものがなければ動きません。それを動かす為にはただ機械的にお金をばらまくのではなく、形式的に評価するのではなく、明確なビジョンのもとで説得力のある人事制度を示すことが大切なのです。