人事制度は失敗事例からも学ぶことができる
人事制度の改革は、成功をもたらすこともあれば、逆に手痛い失敗を招くこともあります。
特に、急に企業の方向性を変える人事制度の改革は、慎重に行う必要があるのです。
ここでは、そんな人事制度で失敗した事例を紹介しましょう。
まるごと真似するのは危険
人事制度による改革の失敗で有名なところでは、某ファーストフード店の人事制度があります。
2006年頃、ここでは成果第一の成果主義を導入しました。
競争意識を刺激することで優秀な人材を登用し、業績をあげようという試みです。
その一環として定年制を廃止し、定年を迎えた人でも高収入が狙いやすくなりました。
これにより、確かに競争意識は芽生え、モチベーションは上がったのですが、一方で成果を優先するあまり、ベテランが若手の育成をおろそかにしてしまうようになりました。
その結果、若手が育たなくなり、業績にも影響が出たそうです。
現在は廃止し、定年制も復活しました。
実は、ここ以外にも成果主義に舵を切り、失敗した有名企業は多いです。
目標設定がゆるくなってしまったり、個人主義が蔓延しチームワークが崩れたりなど、会社の強みが消えてしまったというケースは多いです。
会社にあっているかどうかをチェック
この失敗で学べることは、人事制度の改革は会社にあっているかどうかという基準を把握するのが大事だということです。
いかに他の会社で結果を出したものでも、自社にあっているかどうかというのは別の話です。
そのため、自分の会社の強みを知り、改革の必要が本当にあるのかどうかということを確認するのは、失敗しない上でとても重要なことです。