組織の未来を担う、人事制度の理想の在り方とは
世の中には多種多様なビジネスがあり、星の数ほどの会社があります。
それぞれ経営理念は千差万別となっていますが、運用形態に関わらず必須となるのが人事制度の構築と整備です。
多くのヒトが集まり、ヒトとヒトが手を合わせながら一つの目標に向かって業務に取り組む、そのワークライフの中に人事制度は必要不可欠となっています。
単独で業務を遂行する個人事業主であれば関係のない話になりますが、組織という形をとって業務を進めていく以上、どうしても人事制度の問題は避けられません。
そして現状、あくまで私個人の見解ではありますが、十分な人事制度の運用ができている企業というのは決して多くないと見ています。
それは単純に運用スキルが不足していることが原因であったり、あるいは経営者にその気がない場合であったり……。
事情は様々ですが、今後組織として、企業として大きな成長や発展を目指していくならビジネスモデルや業務目標の前に人事制度から見直していく必要があります。
今回はこのコラムで、人事制度の重要性と構築方法をご案内していきたいと思います。
組織の運営における人事制度の重要性とは
前提として肝に銘じていただきたいのが、「ヒトはロボットやコンピューターではない」ということです。
予め決められたプログラムによって命令通りに稼働するのが労働者であるのなら、人事制度が云々の話は全く必要ないでしょう。
しかし、ヒトにはそれぞれ適性があり、得手不得手があり、そして感情があります。
それを上手に制御して組織単位で円滑に業務を進行させていく為には、人事制度の在り方を見直さなければなりません。
ここでいう人事制度は、単に「給与や賞与を決める為に労働者を査定するシステム」ではありません。もっとその先にある、「ヒトの不満を解消し、満足を増やすためのシステム」が肝要となっています。
その為には、前提として人事制度を運用していくための部署が必要になります。
人事制度を運用していく部署とは
では、人事制度を運用するための部署は、具体的にどういったものを差すのでしょうか?
企業によって組織体制は異なりますが、概ね「人事部」か「総務部」がこれにあたります。
しかしこれらの部署は、他の部署と異なってメインとなる業務に携わることがありません。その為、意識の齟齬が往々にして起こり得ます。
人事部や総務部を円滑に動かしていく為には、「俯瞰的な視点」を持って両者の間に立つ第三者が必要となります。
それは相談役であったり取締役であったり、はたまた監査役であったり組織体制によってまちまちです。
以上の点をまとめますと、人事制度の運用は単に人事部や総務部の問題ではなく、他の部署や役員も含めた組織全体の問題として、全ての社員に意識付けをしておくことが重要だということです。
その上で、公正な判断を下せる「俯瞰的な視点」の第三者を置くことが望ましいとされています。
中小企業における人事制度の在り方とは
少人数精鋭で業務に取り組む中小企業あるいは零細企業では、そもそも人事制度というシステムそのものが存在しないケースも多々あります。
単純に人材不足という問題もありますが、人数が少ないからといって組織が上手に回ると油断してはなりません。
特に社員の教育システムにおいては、大企業のように定められた手法が存在しないということもあって業務の方向性が曖昧になり、そして業務に対する評価基準も不透明になりがちです。
その為、前提として中小企業では「教育計画」を重視する必要があります。
人数不足、人材不足をカバーするのは一にも二にも計画性です。
目先の利益や業務にばかりとらわれず、長期的な視点で人事制度の重要性を認識しておくようにしましょう!