人事制度の基礎的なお話:構築する3本の柱
会社運営に欠かせないものとして、人事制度があります。
人事制度が機能している場合としていない場合では会社の業績は大きく変化し、正常に機能しているかどうかの確認は定期的に行わなければなりません。
まず、人事制度の基礎知識をお話しましょう。
人事制度とは?
人事制度とは、その名の通り人事に関するさまざまなルールです。
会社運営で欠かせない人材の育成や管理に必要不可欠な制度であり、正常に機能することで企業は企業として機能します。
そんな人事制度は、会社の成長とともに見直す必要があります。
例えば、5人程度の会社ならば全員顔見知りになりますし、細かい情報のやり取りなども単純です。
しかし、会社が成長し100人以上の従業員を雇う場合、全員の顔を覚えるのは難しいですし、情報の伝達なども複雑化します。
結果、評価などに悪影響が発生する恐れがあるため、会社の成長とともに制度の見直しと改革が必要になるのです。
そんな人事制度は、主に柱となる3つの制度によって構築されています。
ここでは、その3つの制度についてお話しましょう。
人事制度1.等級制度
人事制度の中でも特に重要な役目を担う要素であり、等級制度が確立することで他の2つも構築しやすくなります。
等級制度は部長や課長といった肩書の他にも、それに必要な職務遂行能力や役割、成果などの序列を決める制度のことです。
人材を序列化することで情報の伝達や責任の所在といったものから人事評価や報酬、昇進の決定権などを構築することができます。
例えば「昇進するためにはこういった能力が必要」といったことを明確にしておくことで社員に明確な目標をもたせたり、管理側もその条件を基準に評価しやすくなるため、人事に関してスムーズに作業が行なわれたりするようになります。
したがって、等級制度を決めることは他の人事制度の要素を決めることにもつながる重要な制度となるのです。
人事制度2.評価制度
評価制度、あるいは人事評価制度は、その名の通り評価に関する人事制度です。
具体的な例としては仕事の評価や仕事の姿勢そして能力などその社員のポテンシャルを図り、正当に評価するための制度です。
評価制度が整っていないと、管理職の主観で決まってしまうため、正当な評価が下される可能性が大幅に減ります。
しかし、明確な評価基準などが決まり、定期的なフィードバックをするなどの評価制度が整うことで正当な評価が出せる他にも具体的なアドバイスを下せるようになるので、社員の成長のサポートにも繋がります。
会社の要である人材を育成するために必要な制度といえるでしょう。
そして、その社員に正当な評価を行なえる管理職がいることも重要になります。
これは、等級制度によって役職を決めることができます。
人事制度3.報酬(賃金)制度
報酬制度は、社員に支払う給料や待遇に関する人事制度です。
評価制度や等級制度が社員の育成に必要な制度だとすれば、報酬制度は人材の定着や獲得に係る人事制度といって良いでしょう。
基本給の他にも福利厚生やインセンティブなど金銭面や待遇に関わる要素が報酬制度であり、成果や年功、能力など、どういった要素が賃金に関係するのかということを明確にするための制度です。
この制度は社員のモチベーションに最も大きく関わります。
支払う賃金が多ければその分社員のモチベーションも上がりやすいですが、反面多すぎると会社の運営にも関わるため、明確な基準を決めて、払いすぎず、少なすぎずの報酬を決めなければならないので非常にバランス感覚が求められる人事制度といえるでしょう。
よって、プロのコンサルタントの人と一緒に入念なチェックをして構築しましょう。